旅行会社総務課長代理の鈴木良平は、専務の娘と結婚していた。しかし、父の権威を背景に振る舞う妻との生活は冷淡で、彼は日々鬱屈していた。ある雨の夕暮れ、線が細く可憐な女性・平井雪子と出会った良平は、乾いた家庭生活の代償として雪子に心を尽くし、雪子も良平に深い愛情を抱くようになった。ところが、雪子には暴力的で現在服役中の夫がいるという事実が明らかになり、良平は大きな衝撃を受けた。夫と離婚して自分と再婚したいと決意する雪子をなだめようとするが、雪子の意思は固く、現在の生活が崩れることを恐れる良平は、苦渋の末、雪子を信州に連れ出し、彼女の首を絞めてしまった。しかし、一時の安心は長くは続かず、良平は新たな恐怖に苛まれ始めた。