つばめ警察署の田草川署長は、サラ金強盗事件をきっかけに20数年前の極秘任務を思い起こす。その任務は、田草川がつばめ警察署に着任して最初に担当したもので、つばめが丘にある“菜の花配達局”という私設郵便局を調査し、潰滅させることだった。田草川は身分を隠して街に潜入し、当時の立浪署長が立案した作戦を実行しようとした。その作戦は、同じ街に住む水野百合子にラブレターを送ることで配達局を調査するというものだった。しかし、明るく優しい百合子に本気で惚れてしまった田草川は、任務への忠誠心と彼女への想いに引き裂かれ、やっと一通のラブレターを書き上げた。しかし、その手紙の字や文面が下手すぎたため、菜の花配達局の局員たちは手紙の配達を断念してしまった。田草川は局員たちが私文書守秘義務に違反したと怒りをぶつけたが、彼らはこの手紙では彼女の気持ちをつかむことがで...