敏腕検事が、巧妙に仕組まれた連続殺人事件のアリバイ工作に挑戦する。あるスナックで、雑誌記者の水戸大悟（志賀圭二郎）が毒入りコーヒーを飲んで死亡。東京地検の検事・千草泰輔（片岡孝夫）が他殺の疑いから捜査を開始する。事件のカギは、水戸が死の直前に口にした「青鴉（あおからす）」という言葉で、これは大手拓次の詩の一節。 この折、出版社勤めの吉野奈穂子（林寛子）が千草を訪ね、彼の大学時代の友人で文芸評論家の真木英介（船戸順）が長野県小諸で行方不明になったと伝える。真木は大手拓次論を執筆中だった。千草と奈穂子はすぐに小諸へ向かい、手がかりを持つ森田香世（浅茅陽子）に会うと、驚くことに彼女は千草がなじみのクラブのママであることが判明する。