静岡県で「伊豆の小天狗」という異名を持つ高校生柔道家の大木健一は、静岡県下高校柔道選手権試合に出場し、必殺技「俵崩し」で優勝した。しかし、その日に母ヤスが急死した。既に父も亡くなっていたため、健一は孤児となり、東京でラーメン屋を経営する伯母キヨに引き取られ、やがて東京の花畑高校に転校した。彼はすぐに柔道部に入部し、やがて天道高校との対抗試合に出場したが、天道高校のエース田波俊介に「俵崩し」を破られて敗北した。初めての敗北にショックを受けた健一は、夜遅くまで東京の街をさまよい、柔道部員の江藤と一緒にゴーゴー喫茶で踊り明かした。そこで紹介された朱実に惹かれ、健一は柔道の練習を怠るようになり、ついに愚連隊と大喧嘩して、結局柔道部から懲戒処分を受けた。大きく落ち込んだ健一は静岡に帰郷し、そこで静岡時代の恩師・吉岡達夫に再会し、吉岡から「無心になれ」と励まされた健一は、...