元敏腕判事を辞めて清掃員になった新堂謙介(橋爪功)は、会社の常務・堀切努(石橋蓮司)の指示で、熱海の旅館と病院の清掃業務を担当している。ある日、露天風呂で疲れを癒していた新堂は、昔から知り合いの刑事・岩倉哲郎(石倉三郎)と再会する。岩倉は西伊豆から異動してきたという。 その時期、新堂が清掃を担当する旅館の大女将・佐久間芳美(愛華みれ)が睡眠薬を飲んで自殺を企て、意識不明のまま病院に搬送される事件が起きた。芳美は一命を取り留めたが昏睡状態にあり、夫の忠志(遠山俊也)と娘の美咲(清水由紀)が看護している。知らせを受けて、東京にいた息子の祥平(永嶋柊吾)も駆け付ける。芳美が搬送された久保田総合病院も新堂の清掃担当である。院長の久保田孝雄(山口眞司)には和孝(窪塚俊介)と文孝(中山卓也)の二人の息子がいて、両者とも医師である。堀切によると、孝雄は県医師会会長候補の……